製缶板金加工とは

製缶板金加工とは、金属加工の一種で鉄やステンレスといった金属板を切ったり、曲げたり、溶接したりして、構造物の骨組みなどを立体的に作り出す加工のことを言います。主な製作品として、筐体や架台フレームなど立体的な構造物がございます。一般的な板金加工との違いは扱う金属板の厚さがあげられ、板金加工では6mm以下の薄い金属を加工します。一方で、製缶板金加工ではアルミニウムやステンレスを材質として6mm以上の厚めの金属板を加工します。

板金工程における材質上の注意点

①アルミニウム

アルミニウムの特性として、まず挙げられるのは軽量であるという点でございます。アルミニウムの密度は2.7g/㎤で他の金属と比べると、鉄では7.8g/㎤、銅では8.9g/㎤でございます。部品自体の軽量化による省エネルギー・高効率へのニーズが高まっているため列車の部品に使われていたり、飛行機の部品に使われていたりすることが多いです。一方でアルミの特長としては、曲げに弱いという特性があります。アルミには曲げ方によっては割れが生じるために注意が必要です。

②ステンレス

ステンレスの特性として、錆びにくいことが挙げられます。例えばクリーンルームで使用する生産ラインでは必ずステンレス製のフレームが使われます。また食品関係の工場や製薬関係の工場に使われるのもステンレス製の製品です。これは衛生面で考慮した際に、腐食作用を起こす材質を使うことが問題となってしまうからです。一方で、ステンレスは非常に取り扱いが難しい材質でございます。まず熱伝導率が低い点が挙げられます。つまり、熱が伝わるまでに時間がかかり、熱を放熱しづらいという特徴です。これは他の材料に比べて歪みや縮みが生じやすいことに繋がります。さらに、ステンレスは表面が美しいにも関わらず、キズがつきやすい性質もございます。これはステンレスは加工回数が増え触れば触るほど、キズや手垢が付くために、出来るだけ触らずに、キズつけずに、細心の注意を払って取り扱っています。形状にもよりますが、材質によっては溶接のしやすさも異なってくるので、注意が必要です。

溶接工程における材質上の注意点

①アルミニウム

アルミニウムには、ステンレスのような粘り気がないために、曲げ加工を行います。しかし、アルミニウムの曲げ加工だと割れてしまうこともあります。アルミニウムの方が軽量化は可能ですが、取扱いが難しくなるという注意点もあります。なぜなら、アルミニウムは他の金属に比べて酸化しやすく、空気中に放置しておくだけで酸化被膜が出来るのが特徴でございます。そのため、酸化皮膜に含まれる結晶水や大気中の水分を巻き込み、溶融金属中に水素が残留しやすく、高い熱伝導率の影響により急冷凝固します。この凝固時に水素が過剰に含まれることで、ブローホールと呼ばれる金属内に現れる小さな空洞が溶接割れや溶接不良の原因となります。また、融点が低アルミは溶接熱に融けてしまうという弊害があるため、アルミニウムの溶接では母材がすぐに溶け落ちてしまいます。さらに、熱伝導率が高いため組織上の自由電子が活発に動くために、歪みが生じてしまいます。

②ステンレス

ステンレスは、鉄に比べて溶け込みやすいので温度管理が難しい材質となります。また、薄板のステンレスの溶接は歪みが発生しやすいという特徴があります。さらにフレーム・架台などをすべてステンレスで作ってしまうと材料コストも製作コストも大きく上がってしまいます。表面処理を行うことで耐食性を上げることができますが、表面処理に必要となるコストと納期とのバランスの検討が必要です。

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